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社団法人日本電気技術者協会 電気技術解説講座 文字サイズ変更ヘルプ
Presented by Electric Engineer's Association
コンデンサ物語(3)=コンデンサに流れる電流(直流回路)、充電と放電=
 元東京電機大学短期大学教授 間邊幸三郎

コンデンサをいろいろな角度から取り上げて、その内容を解説する「コンデンサ物語」。今回は、前回に引き続き、「コンデンサに流れる電流」について解説します。

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前回の内容

(1)コンデンサ に流れこむ電流は、
   i
の正方向を印加電圧 の正方向と同方向に選べば、次式となります。
          (0)
(2)正弦波交流電圧が加わっている場合にコンデンサに流れる電流。


直流電圧の場合

 第1図(a)のように、コンデンサ に直流電圧 が加えられている状態、例えば時間AB区間では、直流電圧は電圧の値と方向が時間的に変化しないので、コンデンサの電荷に時間的変化が生じません。したがって、直流電圧が印加されている状態ではコンデンサには電流は流れません。


直流電圧印加時

 コンデンサへ直流電圧を印加した直後に、どんな現象が起こるのか調べてみましょう。
第2図(a)において、 の電荷を、回路を流れる電流をとし、 の正方向を印加電圧と同方向に選べば、
 いかなる瞬時においても次の(1)式が成立し、同式を を使って表すと(2)式となります。
             (1)
            (2)
 (1)、(2)両式は回路の電圧方程式と云います。
ここで、 の電荷がはじめ零で、=0の時、スイッチSを閉じたとして(2)式でを求めると、(3)式が得られます。
          (3)
 このように、コンデンサに電荷を蓄えることを充電と云います。(3)式は充電の時間的な経過を表しています。

 (3)式より、 =0の時の電荷q (0)が零で、 =∞のときの電荷q (∞)はCE となります。
 また、コンデンサに流れる電流は、電荷との関係から、(3)式を時間で微分すればよく、次のように求められます。
       (4)
=0における電流(0)は、(4)式で =0とおけばよく、となります。
=∞のときの電流(∞)は、 なので、零となります。
 したがって、 は(b)図に示すように、電圧印加の瞬間がで、以後、時間が経過するにつれて次第に減少し、最後には零となります。
 (3)式と(4)式において、CR時定数と呼ばれ、電流の時間的変化の目安になる量です。 が大きいほど電流は緩やかに変化((4)式の場合は減少)します。

 【考察1】 どうしてこのような電流の流れ方をするのか考えてみよう。


放電時

 第3図(a)のように、電荷 が蓄えられているコンデンサにスイッチSを閉じて抵抗を接続してみると、 から電荷の放出がはじまり、抵抗へ電流が流れます。このように、から電荷が外部に出て行く現象を放電と云います。この場合の回路の電圧方程式は、電流の正方向を図のようにの端子電圧と同方向にとれば、
            (5)
となります。この場合、との関係は、(6)式となるので、この関係を(5)式に代入することで(7)式が得られます。
             (6)
          (7)

  =0のときSを閉じると、この時の電荷(0)=であり、これを条件として(7)式の電圧方程式を解くと、(8)式のように電荷が求まります。
            (8)
 放電電流は(8)式の結果を(6)式へ代入して、(9)式のように求められます。
        (9)
ここで、 は、Sを閉じる前にの端子に現れていた電圧で、これをとおけば、(9)式は、
             (10)
となります。 およびのグラフは、(b)図のようになります。

 【考察2】 になぜこのような変化が起こるのか考えてみましょう。

 参考1 を定数とすれば、    (11)



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